再生資源高度化法の運用と資源有効利用促進法見直しに関する提言
再生資源高度化法の運用と資源有効利用促進法見直しに関する提言
2025年4月サーキュラーエコノミー・広域マルチバリュー循環研究会提言委員会
国際的な資源を巡る動向は、資源管理を政治・経済戦略の手段とする動きや、それに対応してクリティカルミネラル(重要鉱物)等の戦略で国内資源への依存度を上げようとする動きなど、囲い込みの要素が増大し、我が国のような天然資源鉱山小国には厳しい状況が拡大してきている。この外部環境変化に対し、国内に蓄積された資源やその産物である製品を循環させ、長寿命で使う取組を拡大することは、環境側面だけでなく経済戦略としても大きな意味を持っている。
こうした国際的な動向や国内の状況を鑑み、昨年制定された「再生資源高度化法」および2000年に制定され、改訂が予想される「資源有効利用促進法」は、サーキュラーな物質循環の戦略的な武器となりうるものである。この視点を踏まえ、再生資源高度化法の運用と資源有効利用促進法の見直しについての提言をサーキュラーエコノミー推進の立場から行う。
- 再生資源高度化法の運用にあたっては、従来の廃掃法の中で確立されたトレーサビリティに優れた我が国の廃棄物処理・リサイクルの到達点を後退させるものであってはならない。
- 同時に、使用済み物の再利用やその発生を抑えるR&S事業(リサイクル・リユース・リファービッシュ・リペア・シェアリング・サービサイジング等事業)に関する責任ある参入者の可能性を拡張し、その取組を推進する視点で運用すべきである。
- 資源リサイクル事業においては、製造事業者や販売事業者主導のリサイクルシステムの構築を支援するとともに、商社や新規のリサイクルプロバイダーが新事業や事業拡張を推進するための窓口を設置することが必要である。
- 資源リサイクル以外のR&S事業に関しては、それらの事業の着手や推進における相談窓口を設け、その分野の進展のための法的課題の整理やその改訂の方向性の検討などを推し進める中核機能を、関連省庁内部に設置することが必要である。
- 資源有効利用促進法の改訂においては、上記2-3の内容と合致させるとともに、国内資源の有効利用としての都市鉱山の活用の観点を強化し、合わせて、クローズだけではなく、スロー、ナローの循環を明確に謳うことが重要である。
- 資源有効利用の観点から、廃棄物のみならず、工場内発生物の有効利用を再生資源の高度利用として循環物の対象に加えることが必須である。
- 上記1-6を推進する上で、資源循環の質の担保を促すためには高度なIT技術の活用が不可欠であり、関連省庁は資源循環に関わる全ての事業者がIT技術を有用に活用でき、円滑に利用できるよう関係法令整備に努めることが必要である。
一般論として、新たな社会システムを具現化するためには、法制度の整備に加え、その法律を適切に運用することが最も重要である。サーキュラーエコノミーを取り巻く従前の法制度の運用も含め、本提言の内容も配慮し、円滑な関連法令の運用がなされることを期待する。