資源の有効な利用の促進に関する基本方針の一部改正(案)に対する意見

資源の有効な利用の促進に関する基本方針の一部改正(案)に対する意見

今回の「資源の有効な利用の促進に関する基本方針」の一部改正案は、再生資源及び再生部品の利用促進に加え、設計段階における資源有効利用及び脱炭素化の促進を明確に打ち出した点において、我が国の資源循環政策を一段深化させるものとして評価できる。とりわけ、認定資源有効利用・脱炭素化促進製品の位置付け強化や、脱炭素化再生資源の製造・利用拡大を基本方針に位置付けたことは、循環経済と脱炭素の統合的推進に向けた重要な前進である。

また、本改正においては、修理を通じた製品の長期利用及び価値保持の方向性が、従前よりも明確に読み取れる点にも注目すべきである。修理は、製品を直ちに廃棄又は材料化することなく、使用価値を維持しながら循環させるための基礎的かつ実効的な取組であり、資源生産性の向上、環境負荷の低減及び地域における事業機会の創出の観点からも大きな意義を有する。

その上で、今後の資源有効利用政策においては、再資源化の拡大のみを志向するのではなく、製品、部品、材料の順に、可能な限り高い残存価値を維持しつつ循環させる「価値保持型循環」の視点を、より明確に政策の中核に据えることが求められる。リユース、修理、リファービッシュ、リマニュファクチャリング、部品再使用等は、その具体的実践形態として位置付けられるべきであり、これらを支える循環型設計及び情報流通・トレーサビリティの整備が併せて進められることが重要である。また、そのことは、循環品の価値及び信頼性が適切に判断される基盤の形成にもつながるものと考えられる。

さらに、資源循環政策と廃棄物制度との制度境界、使用済製品の位置付け、資源安全保障との関係、さらには温室効果ガス排出削減効果とGX政策との接続といった論点についても、今後の制度運用及び関連施策の中で検討を深めることが望まれる。これらの論点を視野に入れつつ、本基本方針が、単なる再資源化促進の枠を超え、価値保持を軸とした循環経済の社会実装を先導する指針として発展していくことを期待する。

以上より、本基本方針が、単なる再資源化の促進にとどまらず、修理を含む残存価値の最大化を軸とした価値保持型の循環経済の推進を一層明確に示すものとなることを期待するとともに。今回の法改正は、日本の資源政策を、従来のリサイクル中心の政策から、サーキュラーエコノミー、脱炭素政策及び資源安全保障を統合する政策へと発展させる契機となり得るものであり、基本方針においてもその制度的意義が十分に反映されることを期待する

各論

「二(7)家電製品にかかる再生資源の②特定家電製品に用いられる原材料として脱炭素化再生資源の利用の・・」

・意見内容

脱炭素化再生資源の利用促進は非常に有効で重要な政策であるので、特定家電製品に限定せずに、新規に「脱炭素化再生資源利用製品」を新設し下記を規定すること。

「脱炭素化再生資源利用製品」は政府が選定するだけでなく、企業が自主的に宣言することも認めること。

脱炭素化再生資源の利用の促進を図る観点から、脱炭素化再生資源利用製品を製造する事業者は、脱炭素化再生資源利用製品の製造に当たって、再生プラスチックの利用に努めること。また、これを実施するための社内体制を整備するとともに、必要な技術の向上に努めること。

自ら輸入した脱炭素化再生資源利用製品を販売する事業者は、脱炭素化再生資源利用製品の販売に当たって、再生プラスチックの利用がなされた脱炭素化再生資源利用製品を輸入販売することに努めること。また、これを実施するための社内体制を整備するとともに、必要な知識の向上に努めること。

・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。)

脱炭素化再生資源の利用拡大のためには、対象製品の選択には次の視点が必要です。

  • 需要拡大策として、政府が率先調達する効果が大きい製品であること
  • 市場規模として考慮するのは、販売個数ではなく、ある程度総重量が多いもの
  • 脱炭素化再生資源の利用が国際競争力に寄与できるようグローバル販売比率が高いこと

四 環境の保全に資するものとしての資源の有効な利用の促進の意義に関する知識の普及に係る事項

(必要に応じて、五 当事者ごとの目標の総論部分も参照)

・意見内容

今回の改正案が、再生資源・再生部品を用いた製品の需要拡大、設計段階における資源有効利用及び脱炭素化の促進を打ち出している点について賛同する。特に、認定資源有効利用・脱炭素化促進製品の位置付け強化及び脱炭素化再生資源の製造・利用拡大を明記したことは有意義である。また、修理を通じた長期利用及び価値保持の方向性が従前より明確化されている点も評価できる。これらの方向性について、価値保持型の循環経済への発展という観点が、総論上、より明確に読み取れる記述とすること。

・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。)

資源有効利用政策は、再資源化の拡大にとどまらず、製品・部品・材料の価値を可能な限り高位に維持しつつ循環させる方向へ深化することが重要である。今回改正は、循環経済と脱炭素の一体的推進に向けた制度的前進と評価できることから、その意義を総論においてより明確に位置付けることにより、今後の制度運用及び個別分野における具体化の指針となることが期待される。

五 当事者ごとの目標 ⑴、⑸(必要に応じて、⑻)

・意見内容

再生資源・再生部品の利用促進に加え、リユース、修理及びリマニュファクチャリング(再生整備・再製造)を、価値保持型循環の主要な実践形態として位置付け、その方向性をより明確に示すこと。特に、修理については長期間使用の促進の基礎をなす取組として、また、リマニュファクチャリングについては製品又は部品の価値を高位に維持又は回復しつつ再投入する手法として、基本方針上の位置付けを補強することが適当である。

・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。) 現行案からは再生資源及び再生部品の利用促進の方向性は読み取れるものの、製品又は部品としてなお高い価値を有するものを、修理、再使用又は再生整備を通じて循環させる視点は必ずしも十分に明示されていない。修理は製品寿命の延伸及び廃棄回避に資する基礎的手法であり、リマニュファクチャリングは環境負荷低減と収益性向上の両立に資する高付加価値型の循環手法であるため、これらを併せて位置付けることが望ましい。なお、個別分野での具体化は製品特性等を踏まえて整理されることが適当である。

五 当事者ごとの目標 ⑴、⑻(必要に応じて、⑸)

・意見内容

長期間使用の促進、再生資源又は再生部品の利用促進等の個別記載に加え、資源の有効な利用の基本的な考え方として、製品、部品、材料の順に、可能な限り高い残存価値を維持しつつ循環させるという視点も追記いただきたい。

・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。)

 資源循環政策が物量中心の循環に偏る場合、なお高い価値を有する製品又は部品が早期に材料リサイクルへ流れるおそれがある。資源制約への対応、環境負荷の低減及び産業競争力の確保の観点からは、まず製品、次いで部品として価値を維持し、その後に材料循環へ移行する考え方が合理的である。もっとも、その具体的な適用の在り方については、対象製品の特性及び個別分野の実情を踏まえて整理されることが望ましい。

五 当事者ごとの目標 ⑸(必要に応じて、⑴)

・意見内容

 解体容易設計、部品再利用、長寿命設計、修理容易設計、リファービッシュやリマニュファクチャリングを前提とした設計等、循環型設計の方向性をより明確に示すこと。

・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。)  

 本改正は、資源有効利用・脱炭素化促進設計指針の新設等を通じて、廃棄段階中心の対応から、設計段階から資源効率を高める方向へ政策の重心を移すものと理解される。その実効性を高めるためには、どのような設計が資源有効利用及び価値保持型循環に資するのかについて、解体容易性、修理容易性、部品再利用性等の観点を含め、基本方針上で方向性を明確化することが有益である。

 五 当事者ごとの目標 ⑴、⑻、⑽ 四 環境の保全に資するものとしての資源の有効な利用の促進の意義に関する知識の普及に係る事項

・意見内容

 価値保持型循環を実効的に進める観点から、「必要な情報提供」の内容として、製品仕様、修理履歴、再生履歴、部品情報その他循環品の価値及び信頼性の判断に資する情報の流通、トレーサビリティ及び履歴管理の重要性を、基本方針上より明示すること。

・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。) 

リユース、修理、部品再使用、リファービッシュ及びリマニュファクチャリングを適切に拡大するためには、修理・再生履歴、部品由来その他の関連情報が円滑に流通し、取引当事者が品質及び価値を判断できることが重要である。現行案において情報提供の趣旨は示されているものの、その具体的方向性としてトレーサビリティ及び履歴管理の必要性を明確化することにより、循環品の信頼性確保及び市場形成の促進に資するものと考えられる。加えて、これにより残存価値が市場において適切に判断される前提条件の整備にもつながることが期待される。

 基本方針全体に関わる今後の検討課題

・意見内容

 本改正の方向性を踏まえ、今後の制度運用又は関連施策の検討においては、資源循環による温室効果ガス削減効果の評価及びGX政策との連携、サーキュラー・エコノミー型ビジネス及びCEコマースの政策的位置付け、資源循環政策と廃棄物制度との制度境界、使用済製品の制度的位置付け、並びに資源循環と資源安全保障との関係について法改正にもり込まれた以下の諸点を明示すること、

1 資源循環による温室効果ガス削減効果の評価及びGX政策との連携
2 製品設計段階における循環型設計の方向性
3 サーキュラーエコノミー型ビジネス及びCEコマースの政策的位置づけ
4 資源循環政策と廃棄物制度との制度境界の整理
5 使用済製品の制度的位置づけの整理
6 資源循環と資源安全保障との関係

・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。)  これらの論点は、今回改正の制度的意義から自然に導かれる重要事項である一方、個別の改正項目に直ちに詳細を書き込むには検討の幅が広い事項でもある。今後の制度運用又は関連施策の中で整理を深めることにより、修理、再使用、再販売、部品回収等を含むサーキュラー・エコノミーの社会実装が進み、資源有効利用政策の実効性向上にもつながるものと考えられる。

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